寄り道したっていいじゃない

人生の寄り道って、不安だけど面白い。

「うちの子が結婚しないので」感想

結婚って、、、何?




「うちの子が結婚しないので」

垣谷美雨

新潮文庫


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本作は帯にもある通り、


娘の結婚相手を探す親の奮闘記。

つまり、親婚活の話よ。



親婚活とは。

結婚する当人たちではなく、

その親同士が「自分の息子・娘はどうですか?」と互いのプロフィールを見せながらオススメし合い、

とりあえず会ってみるかどうかを決め、

その後縁があれば交際に辿りつき、

ゴールへひたすら走っていく……



ざっとこんな感じね。




そしてここからは感想。




物事の捉え方だわね。



恋愛して、その先に結婚が見えてくる。

私はそう思っているのだけど、

いざ婚活となるとそんな夢はすぐに崩れ去る。


今回は「結婚する」ことがゴールで、

イチャイチャラブラブ♡は求めないのよ。

(ただし、作中でもあったが、生理的に受け付けないのは論外)



この時ばかりは、私も結婚ゲーム、みたいな感じに「どうすれば結婚できるか」に考えをシフトチェンジするわね。



さて、主人公である千賀子は、我が娘・友美のために親婚活を始める。

実際に親婚活を開催している場に乗り込むが、ことごとく撃沈。

自分の子どもを可愛がりすぎているところ、男尊女卑感が強いところ、古臭い考え方がこびりついているところなど、

思った以上にそんな家庭が多かったことに愕然とする。


また、自分の娘の人気の無さ、やはり外見が一番なのだと思い知らされる辺り、世知辛い……世の中世知辛いぞぉ……!!!と拳を震わせ涙を堪える私がいたわね……



結婚することがこんなに難しいことだとは思っていなかった千賀子夫婦。

娘の友美も、自分が否定されている、やっぱり美人じゃないとダメなんだと傷つくばかり………



でも、周りの結婚・離婚話を聞き、

諦めずに家族は力を合わせて親婚活を進める。


最終的には、見事相思相愛っぽい関係になれた人と結婚することを決める。




「結婚すること」を今回は目標としていたので、

やはり普通に恋愛するのとはわけが違った。



まず結婚するからにはお互いの家同士の付き合いもあるので、どんな考えの家なのか。


また、相手のスペックは何なのか。


家事分担は?

親と別居?

身なりは?

子どもは?



と、恋愛をする上ではあまり気にしないであろう項目を一気に考え、吟味していかなければならない。



やはりこれを見ていると、婚活も就活も変わらないじゃないかとため息が出るわね。



どこに行っても、自己アピール自己アピール………

そして届くお祈りメール………



トラウマ待ったナシ。




ステマチックなような、

でも感情が入ってくるような




これまたややこしい。




昨今は、20代半ばから結婚を意識する男性が増えているように見えるが、実際の未婚率は上昇する一方。


この矛盾しているかのように見えるグラフの裏には、

きっと今作のような、譲れない条件の不一致があるのでしょうね。




「結婚は好きな人ができて初めて見えてくるもの!」と信じてやまない私は、

自分とは切り離し、「良い結婚できるといいね」と微笑むしかなさそうよ😌