「絶対」なんてない
と、現実で知った。
どのことにも言えるけれど、
特にそれを感じたのは恋愛と結婚のこと。
私は
「付き合う=両想いのまま(付き合ってる間はその相手のことだけを想う)」、
「結婚(籍を入れる)=書面上での契約で、裏切られることはない。絶対その相手のことを想い続ける」
と思っていた。
ただこれは、少女漫画であったり、ドラマや二次創作で現実を知らなかった大学の途中までの私で(それまでは純粋に思ってた)。
友達と話していて、「両想いやずっとただ一人のことを想う」ってことは叶わない、
「付き合ったり、結婚したら、絶対他の人に振り向かないし、ずっとその二人だけになれる」
なんてことは、幻想だったことを知る。
この現実では、片想いでも相手が嫌いではない限り、とりあえず付き合い、形としてのカップルになったり。
結婚して、世間的にも夫婦となったのに、不倫したり、離婚したりまた繰り返したり……。
え?付き合ったり、結婚したりしたってことは、その人と真剣に向き合いますということを、公式に示し、契約したんじゃないの???
そんなことを友達に真顔で聞いてみるけど、
「そんなわけないじゃーーん(笑)」
と笑われる。
私は単純なやつなので、そんな例を目の当たりにすると、「みんな、みんなそうなんだ。『絶対』は約束されないんだ」と軽く絶望する。
なので今は、付き合うことや結婚することに特別な思いを感じることがなくなっている。
「私って、この人と付き合ってるのかな??告白されてないから付き合ってない??
……でもどっちでもいっか。
告白で付き合うことが正式に決定しても、
彼も私もずっとお互いを愛し合ってる保証なんてないし。
契りを交わして守れず絶望するくらいなら、
いっそ関係を明らかにせず、
ラフな状態でいた方がいいのかもしれない」
そんな風に考え、「絶対を明らかにする」ことを避けている。
でも、じゃあいろんな人と関係もち放題だね♡ってわけじゃない。
二人の関係は明確ではないけど、私からしたらやはりその人のことが大好きで、裏切りたくない人でもあるから、私は「付き合っている」と思い込み、大事にする。
やっぱり、自分が好きになった人、そしてその人のことを好きになった自分には誠実でいたい。
「絶対」を安心する呪文として、大事にしていたけど、叶わないこともある。
だから唱えず、「絶対」で自分を縛らないようにする。
未来のことなんてわからないし、決めつけてその考えに囚われては自分のやりたいようにやれないから。
「絶対」がないなんて、悲しいかもしれないけど、
逆に自分や相手を制限せずに、伸び伸びとできるのかもしれない。
そんなふうに思って、
私は「絶対」の呪縛から逃れていくのだ。